ウォーキングで美しく健康に!
効果アップさせるための3つの方法と食事や時間帯を紹介

ウォーキングは、どんな年齢層でも取り組みやすい手軽な運動です。ダイエット、筋力アップ、健康増進などさまざまな目的に活用できる汎用性の高さも魅力といえます。しかし、漫然と歩くのでは効果を実感できず、間違った方法では逆効果になることもあるのです。

ウォーキングは心と体にメリットがたくさん!

健康維持にはウォーキングがよいという声をよく聞きますよね。緑の中をさっそうと歩くイメージも、いかにも健康によさそうです。しかし、具体的にどんなメリットがあるのか知っていますか?ウォーキングのメリットを、身体面と精神面に分けて解説します。

体へのメリット

ウォーキングは、糖質や脂質を燃焼する有酸素運動です。そのため、継続すれば脂肪燃焼により体型が整い、肥満予防につながるといえます。ひいては、肥満を原因とする生活習慣病予防にもなるでしょう。下半身の筋肉をよく動かすため、筋力アップも期待できます。腕を振るなどの動きを意識すれば、上半身の筋肉に刺激を与えることも可能です。筋力がアップすると基礎代謝もアップし、安静にしているときの消費カロリーが上がります。

また、ふくらはぎの筋肉は、流れてきた血液を心臓に戻すポンプのような役割を果たしています。そのため、ウォーキングは全身の血流をサポートするという面でも代謝アップに役立つのです。呼吸を繰り返す運動のため、心肺機能の改善にもつながります。さらに、適度な運動で骨にほどよい負荷がかかると、カルシウムの利用効率がよくなり骨粗しょう症の予防にも役立ちます。

心へのメリット

自然の中を歩くと、それだけで仕事や家事の気分転換になりますよね。さらに、ウォーキングのような有酸素運動としての歩行は、βエンドルフィンというホルモンを脳内に分泌させます。βエンドルフィンは「快感ホルモン」とも呼ばれ、疲労感や緊張をやわらげ、ストレスを解消してやる気を出させるホルモンです。また、ウォーキングにより全身の血行がよくなると脳への血流がアップするため、頭がすっきりする効果も期待できるでしょう。さらに、毎日歩くコースで仲間ができたり、Webサイトで情報を交換したり、ウォーキング大会に出場したりするなど、交友関係も広くなっていきます。

ウォーキング効果をアップするコツ

ただ歩くことと、有酸素運動としてのウォーキングには効果に差があります。また、間違ったウォーキングでは膝など体の部位を痛めたり、疲労の原因となったりと、かえって健康のためにならないこともあるのです。せっかくウォーキングをするなら、うれしい効果を実感したいですよね。この段落では、ウォーキングのメリットを最大限実感するためのポイントを紹介します。

ウォーキングの前後にストレッチ

ストレッチは、ウォーキングの効果を高めるだけでなく、トラブルを防ぐ方法でもあります。その効果やおすすめの方法について紹介します。

ウォーキングの前後にストレッチをすることの効果とは

ウォーキング前のストレッチは全身の血行をサポートし、筋肉の温度を高めます。これにより、柔軟性がアップして筋肉が動かしやすくなるので、捻挫やけがの防止につながるのです。また、その日のコンディションを把握する「ならし運転」にもなり、自分にちょうどいいスピードや負荷がわかります。ストレッチによって血行がよくなることや、筋肉が柔軟になって歩く動作が大きくなることによって、脂肪燃焼効率のアップも期待できるでしょう。さらに、ウォーキング後にもストレッチを行うのがポイントです。運動したことで緊張している筋肉をほぐし、疲労の回復をサポートします。

ウォーキング前後のおすすめストレッチ例

手軽にできるおすすめストレッチのひとつは「足踏み」です。膝と腕を回数ごとに高く上げるよう、ゆっくり足踏みします。また、手の指を組んで頭上に上げ、全身を引っ張るように伸びる「背伸び」も効果的なストレッチです。「体側伸ばし」は「背伸び」と同じく指を組んだ手を頭上に引き上げ、足を軽く開いて、側面の伸びを感じるよう体を横に傾けます。左右両方行いましょう。

最も稼働する足をしっかり伸ばすのも大切です。片足を一歩引いてかかとを地面につけ、前側の足の膝を曲げて前に体重をかける「アキレス腱伸ばし」は必ず両足行っておきましょう。「太ももと背中伸ばし」は、しこを踏むように足を広げ、両手を両ひざの内側に置き、片方の肩を前に押し出しながら顔を逆側の肩の後方に向けるストレッチです。これも両方行います。さらに「深呼吸」も忘れずに。両手を高く上げながら息を吸い、肩を丸めて両手を交差させながら息を吐きます。これらのストレッチは、一部位10秒ほどのスピードでゆっくり行うのがポイントです。

歩き方、フォームを意識する

ただ漫然と歩くだけでは、なかなかウォーキングの効果を実感できません。しかし、がんばりすぎて負担をかける歩き方も逆効果です。正しいフォームで歩くと、エネルギー消費や脂肪燃焼効率がアップします。また、姿勢を保つために働く「抗重力筋」のバランスが整い、腰痛予防にもつながります。正しいフォームのポイントは、まず、背筋を伸ばしてまっすぐ立つことです。お腹と背中を引き寄せるように姿勢を正すとよいでしょう。あごを引き、少し遠くを見るように前を向きます。

歩くときはつま先を正面に向け、かかとから着地し、重心をつま先へ移動させ、指の付け根をしっかり使って地面を踏みます。ひざを曲げると足裏全体で着地してしまい、姿勢も崩れるため、膝はなるべく曲げずにかかとで着地を意識しましょう。大股で歩くと可動域が広がり、効率よくエネルギー消費できます。体を安定させるには、ひじを軽く曲げ、軽く小さな振りにするのがポイントです。

歩く速さを意識する

基本的におすすめする速さは、自分の体力やその日の体調に合わせた無理のないペースです。ウォーキングが辛いものになってしまうと、ネガティブなイメージになり、継続しにくくなってしまいます。しかし、慣れて楽しくなってきたらレベルを上げ、燃焼効果アップを追求するのもよいでしょう。燃焼効果は、歩く速度が上がるとアップするとされています。

無理がなく、効率もよいペースの目安は時速5kmほどです。日常の歩行より少し早いペースなので、ウォーキング初心者でも取り組みやすい速度といえます。時速5kmに慣れてきた人、体力のある人は時速6kmに挑戦してみましょう。心拍計があれば、自分の脈拍を見ながら運動強度をはかることもできます。1分間に100~120回の脈拍が「楽な運動」、130~140回が「ややきつい運動」とされていますので参考にしてください。

ウォーキング効果を上げる、食べ方のポイントや積極的に摂取したい食べ物

脂肪燃焼効率は、空腹時に運動を行うと高まるとされています。これは、血糖値が下がってから脂肪の燃焼が始まるためです。しかし、朝食は一日の代謝をアップさせるといわれているため、朝食抜きは禁物。砂糖や清涼飲料水など、血糖値を急激に上げる要素を避けたメニューをとりましょう。

効率よい脂肪燃焼や疲労回復のためには、タンパク質、ビタミン、ミネラルのバランスがよい食事が重要です。食後にウォーキングする際も、胃で消化が行われている間の最低30分は避けます。また、ウォーキング前後の水分補給も重要です。汗をかくと水分だけでなくミネラルも失われるため、ウォーキング後の水分補給にはマグネシウムや鉄、カリウム、カルシウムを補給できるスポーツドリンクを活用しましょう。

ウォーキングにお勧めの時間帯は?

最もおすすめの時間帯は、朝です。朝食後にウォーキングをすると、1日にかけて血糖値を抑えられるとされています。また、脳への血流を促進するため、すっきりした頭で1日を始められ、仕事や家事の効率アップを期待できるでしょう。さらに注目したいのは、ホルモンの面でのメリットです。日光を浴びると、脳内の神経伝達物質であるセロトニンが分泌されます。セロトニンは、呼吸や代謝などにかかわる自律神経を調整するホルモンです。また、自律神経をコントロールすることにより、心のバランスを整えてストレスを軽減します。さらに、朝に日光を浴びることは睡眠のリズムを整え、その質を高めるポイントです。

朝にウォーキングの時間をとれないなら、昼に実践するとよいでしょう。起き抜けよりも体が軽く、運動しやすいというメリットもあります。仕事の関係で難しいなら、昼休憩を利用するという方法もおすすめです。また、通勤時間を利用するのもひとつの方法といえます。さらに、夕方から夜のウォーキングにもメリットがあります。適度に筋肉がほぐれており、少しきつい運動もこなせるため、脂肪燃焼効率の高いウォーキングができるでしょう。

夕方から夜の運動は、運動後や睡眠中の成長ホルモンの分泌を活発にするとされています。成長ホルモンは体の修復や疲労回復にかかわるため、活発な分泌は健康維持をサポートするのです。いずれにせよ、毎日同じ時間帯に実践すると、ウォーキングを習慣として日常に組み込みやすくなります。

服装やシューズにもこだわろう

ウォーキングに慣れてきたら、ウェアやシューズにこだわってみるのもおすすめです。例えば、吸水性や速乾性の高いTシャツは、汗のベタベタやジトっとした感触がなく、快適に運動できます。また、ウインドブレーカーは薄手でも意外に保温性があるうえ、暑くなってきたら腰に巻くなどかさばらないので便利です。さらに、帽子やサングラスなどでUV対策もしておきましょう。始めたばかりの場合や、通勤時間を利用する場合は普段着でも大丈夫です。適度に脚にフィットするダボつかないパンツと、腕さばきのよい、動きやすいトップスで実践しましょう。

快適なウォーキングのポイントは、自分に合ったウォーキングシューズを選ぶことです。ランニング用と併用している人もいますが、ウォーキングシューズはランニングシューズより重みがあって靴底が厚く、歩きのサポートに特化しているという特徴があります。足のサイズは一日の時間帯により微妙に違うため、ウォーキングする時間帯に靴店でフィッティングするとよいでしょう。ズレやムレを防ぐウォーキングソックスや、疲労を軽減するインソールなどもあると便利です。

正しいやり方でウォーキングを楽しもう!

ウォーキングは手軽にできるうえ、体や心にたくさんのメリットがある運動です。しかし、効果を実感するにはウォーキング前後のストレッチ、正しいフォーム、無理のない速度などいくつかのポイントがあります。また、食事の内容や歩く時間帯も大切です。最初から万事を完璧にするより、できるところから実践し日々の習慣にするのが続けるコツです。紹介したポイントを参考に、ウォーキングでよりよい健康をめざしていきましょう。