激しいステップ、掻き鳴らされるギター、ふりしぼるような、東洋的旋律の歌…
なぜか日本人の琴線に鋭く触れてくるフラメンコという芸能は、スペイン南部、アンダルシ アで生まれました。強い光と陰、一面のひまわり畑に青い空、闘牛そしてフラメンコ。ヨーロ ッパに属しながらアラブの影響を色濃く残すアンダルシアの風土・文化は、外国人にとって スペインという国のイメージそのものと言えるでしょう。
その中でもフラメンコは、インドを起源として西に流れてきたロマ族(ジプシー=スペイン 語でヒターノ/gitano)、スペインにかつて君臨したアラブ系民族、そして在来のアンダルシ ア人達の民族芸能が融合してできた、ある意味とてもユニバーサルな芸術です。
踊りがもっぱら中心的にとらえられるフラメンコも、あらゆる民族音楽と同様に、歌(カンテ cante)がその発祥の根を作ったと言われています。
仲間内の喜びや悲しみの吟じ合いからおのずとリズムと旋律が生まれ、ギター(guitarra) という身近でプリミティブな楽器が加わり、興がのれば男も女も踊り(baile)だし・・・やが て洗練、形式化されて行ったのが、現代のフラメンコの大本の形と考えられています。 その誕生の歴史は意外と浅く、19世紀初頭とも言われます。
発達した形をもったフラメンコはやがて、カフェカンタンテ~タブラオ(いずれも観客が飲 み食いしながらフラメンコを観る舞台つきの飲食店)などで上演されるようになり、スペイ ン固有の芸能として大きく発展をとげました。多くの歴史に残るアーティストがうまれたの が黄金期ともいわれる20世紀前半。
また、テレビ普及の時代と相まってカンテのカマロン・デ・ラ・イスラやギターのパコ・デ・ ルシアなどの革命的アーティストが出現、フラメンコの認知度は世界的に広がりました。 さらに、バイレ(舞踊)を中心に舞台芸術としてあらたな発展をとげようとしているのが現代 のフラメンコと言えるでしょう。
インターネットの普及により、フラメンコは近年、身近なワールドミュージック、ダンス芸術 としてその存在を認められつつあります。スペインのフラメンコも、年々変貌をとげています。
しかし今もなお、家族や仲間同士でテーブルを囲んで、歌い、奏で、踊りながら楽しむという原初の喜びが、この芸能の根幹を支えていることに間違いはありません。
カンテ | フラメンコの歌 | バイレ | フラメンコ舞踊 |
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カンタオール | フラメンコの歌い手(男性) | バイラオール | フラメンコの踊り手(男性) |
カンタオーラ | フラメンコの歌い手(女性) | バイラオーラ | フラメンコの踊り手(女性) |
アイレ | フラメンコ独特の空気、雰囲気 | サパテアード | 靴音(底)でリズムを打ち出す技術 |
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エスコビージャ | サパテアード中心の部分 | サリーダ | 出だし、歌い出し |
エストゥディオ | フラメンコスタジオ | パルマ | 手拍子 |
グラシア | フラメンコならではの愛嬌 | ブラソ | 腕の動き |
クルシージョ | 短期クラス | レトラ | 歌詞 |
コンパス | フラメンコ独特のリズム |
アバニコ | 扇 | パリージョ | カスタネット |
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ファルダ | スカート | マントン | 大判な四角形のショール |